痔

便秘になると、併せて痔になってしまうことはありませんか?女性は男性に比べて、もともと腹筋の弱さやホルモンバランスの関係から、便秘になりやすいと言われており、便秘が悪化したり、慢性化することによって、今度は痔を引き起こす場合があります。

今回は便秘で痔ができてしまう原因と、その対策について解説していきます。

便秘で痔ができてしまう原因

肛門は直腸とつながっており、お尻の出口付近は皮膚で覆われていて、そのすぐ奥には直腸がある構造になっています。

肛門付近には「外肛門括約筋」と「内肛門括約筋」という2つの筋肉があり、排便する際にはこれらの筋肉の緊張が緩むことによって、肛門が開くようになっています。

便秘になると、便の中の水分量が極端に不足した状態になり、硬便となります。

硬くなった便はスムーズに腸を通って肛門から排出されることが難しくなり、腸内に溜まりやすくなります。

このような便秘の状態では、無理にでも便を出そうと長時間便座に座ったり、強くいきんだりすることが多いのではないでしょうか。

しかし、このような行為を繰り返すと、肛門付近に大きな負担がかかってしまいます。

このように肛門に負担がかかると、肛門と内肛門括約筋の粘膜付近にある皮膚組織がうっ血を起こし、これらの部分の血行が悪くなり、いぼ痔になってしまうことがあります。

また、うっ血していぼ痔になるだけでなく、排便の際に硬くなった便が肛門の皮膚を傷つけ、切れ痔 (裂肛) を引き起こす場合もあります。


痔の主な種類

痔には、大きく分けて「切れ痔 (裂肛)」、「いぼ痔」、「あな痔」の3つの種類があります。いぼ痔と切れ痔が一般的に女性に多く見られる痔であるのに対し、あな痔は痔全体の中では症例が少ないものとなっています。


切れ痔 (裂肛)

切れ痔
画像出典 http://www.doujin-byouin.com/cate01/03.html


便秘状態で硬くなってしまった便を無理やり押し出そうとする際に、肛門の表面の皮膚を傷つけることによって起こる痔です。

肛門の皮膚が裂けたり切れたりするため、出血を伴います。排便時に刺さるようなズキズキとした痛みを感じます。

排便時に痛みを伴うため、排便を我慢してしまう傾向もあり、便秘を悪化させる要因にもなっています。

また逆に、硬い便を繰り返し無理に排出しようとするため、それによって切れ痔が悪化する場合もあります。


いぼ痔

いぼ痔
画像出典 http://www.doujin-byouin.com/cate01/01.html


便秘時の無理ないきみによって肛門部分に大きな負担がかかり、肛門の皮膚の毛細血管がうっ血を起こすことによってその部分が腫れ、いぼ痔になります。

いぼ痔には、肛門の上皮部分にできる「外痔核」と、肛門の奥にある直腸側の皮膚にできる「内痔核」の2種類があります。

外痔核は少量の出血を伴う場合があり、また痛みも鋭いことが多いです。内痔核は、軽度の場合は多少の出血がありますが、痛みはほとんどありません。

しかし、悪化してしまうと内側のいぼが外まで出てくるほど大きくなってしまい、痛みも強くなります。


あな痔

あな痔
画像出典 http://www.doujin-byouin.com/cate01/02.html


あな痔は肛門腺と呼ばれる歯状線のくぼみの部分に細菌が入り込み、中で化膿や炎症を起こして膿が溜まってしまうことによって起こります。

たとえ膿が外へ全て排出されたとしても、すでに膿が通るトンネルのような通路が肛門腺にできてしまっているので、化膿が繰り返し起こります。

あな痔になると肛門付近に異物感や鈍い痛みを感じ、排便時以外でも痛みを感じることがあります。また、発熱を伴う場合もあります。


それぞれの痔の対処方法


切れ痔 (裂肛)

まずは、とにかく肛門付近を清潔に保つように心がけましょう。傷口から細菌が入ると、かゆみや慢性化の原因となってしまいます。

排便後は、ウォシュレットなどを使用して清潔に保ちましょう。また、軽度の切れ痔であれば市販の軟膏薬を塗ることで症状を大幅に改善する、または完治することができます。

有名なボラギノールの軟膏タイプが特におすすめです。痛みや出血がひどい場合はボラギノールAを、かゆみがある場合はボラギノールMの軟膏をおすすめします。

また、メンソレータムリシーナは女性でも利用しやすいように配慮された可愛らしいパッケージなので、気軽に購入することができます。


いぼ痔

いぼ痔に関しても、まずは肛門付近を清潔に保つことが大切です。外痔核の場合は、軟膏タイプのものか、もし塗りづらい場所にある場合は注入タイプの軟膏をおすすめします。

おすすめの注入軟膏は、ボラギノールやプリザエースです。

内痔核の場合は、注入タイプか座薬タイプの軟膏が良いでしょう。ボラギノールやプリザエースには、座薬タイプのもの出ているのでおすすめです。


あな痔

あな痔の場合は、市販の痔の薬では残念ながら治すことはできません。専門機関での手術治療が必要となります。

比較的軽度な場合は手術も軽いもので済みますが、トンネルがいくつもあったり、複雑な構造となっている場合は、大規模な外科手術が必要となる場合があります。早めに病院で診察を受けましょう。


まとめ

痔を根本的に治療するには、便秘を早期に解消することも大切です。生活習慣や食生活の見直し、食物繊維や乳酸菌、オリゴ糖の十分な摂取、こまめな水分補給、適度な運動など、便秘になりにくい体質を作る生活を心がけましょう。