糖尿病ってどんな病気?

甘いのが食べたい男性
膵臓から分泌されるインスリンというホルモン物質の分泌量が減ったり、血中の糖を細胞内に取り込むというインスリンの働きが悪くなるなどにより、血液中の糖の濃度(血糖値)が常に高い状態となってしまうのが糖尿病。

加齢や遺伝的要因で糖尿病に罹る人もいますが、運動不足や食生活・栄養摂取の偏り、ストレスなどが原因になって発症することもあることから、生活習慣病の1つとも考えられている病気です。

厚生労働省が2012年に実施した「国民健康・栄養調査」によると糖尿病有病者の数は、なんと全国で約950万人!

そのうち、実際に糖尿病の治療を受けている人は約65%と、自覚症状の少ない病気であることも糖尿病の特徴の1つです。

かなりの高血糖状態にならない限り、自覚症状を感じられないことが多く、のどの渇きやだるさ、疲れがとれにくいなどの糖尿病の症状が自覚できるのは病気がかなり進行した後だそうです。

加えて、さらに血糖値が高い状態まで放置してしまうと、体内の様々な臓器に障害を起こし「合併症」を発症しやすくなります。

糖尿病の「合併症」としてよく知られているのが、神経障害、網膜症、腎症の3つ。

このうち神経障害では、足先・手先の痺れ、脱力感などの症状に加え、便秘や下痢になりやすくなるという症状があります。


糖尿病を治療すると便秘になる?

血糖値が高いという症状を緩和するため、糖尿病の治療は食事療法を中心に行われます。

食事内容を改善したり、あるいは食事量を制限することで身体に取り込むエネルギー量を調整し、血糖値を下げたり、急激な上昇を防いだりするのがこの食事療法。

特別な食事をするというよりも、むしろ1日3食の食事を規則正しく、過食せず、栄養のバランスよく継続的にとる、というのが糖尿病の治癒に繋がるのです。

ところがこの食事療法によって食事量そのものが減少したり、食生活が大きく変化することで、便の量が減少、便意を感じにくくなり、それまで排便に問題がなかったとしても突然便秘の症状がでてくることがあります。

また先に述べた、神経障害の合併症は自律神経にも悪影響を及ぼします。

自律神経の障害は大腸の蠕動運動を弱め、結果的に腸に便が留まりやすくなる状態、つまり便秘の症状を引き起こすことがあります。

食事療法で糖尿病を治療中の方や、神経障害の合併症のある糖尿病患者で、便秘に悩まされている方が多いのは、こうしたことが原因となっています。


糖尿病の便秘の解消方法

糖尿病によって起きた便秘の解消には、糖尿病自体が治癒されることがもちろん重要です。

ただし、糖尿病の治療にはある程度の期間が必要なため、病気自体の治療と便秘の改善・解消は並行して行わなければなりません。

また糖尿病に罹っている間は、通常の便秘解消方法の中でも実施できるものと、そうでないものが出てきます。

その理由の1つは、糖尿病による食事制限。便秘の解消に良いからと言って、何か食べ過ぎてしまったり、その結果血糖値が上昇してしまっては逆効果です。

糖尿病で便秘になってしまった方にとって、血糖値を低く抑えつつ便量を増やし、便意を刺激することができる食品としては、低カロリーの食物繊維がおすすめです。

食物繊維は胃や腸で消化吸収されることがなく、そのまま排便されるため、便量を直接増やすことができるほか、大腸で水分を吸収し、便を柔らかくすることで排便を促進する効果があります。

具体的におすすめなのは、寒天や海藻類、ひじきやこんにゃくなど。いずれもカロリーが低く、食物繊維を多く含んだ食品です。

栄養バランスやカロリーに注意しながら、可能なだけの食物繊維を定期的に摂取し続けることで、糖尿病を治療しながらの便秘改善を実現できそうです。