老人の便秘は周りの協力も大切
厚生労働省が行っている国民生活基礎調査を見ると、平成22年度のものでは「最も気になる症状は便秘」と答えている人のピークが70~74歳にあります。

高齢者の便秘についてまとめました。

高齢者はどうして便秘になりやすい?

主な原因は4つあります。

  • 内臓機能の低下
  • 食事量の低下
  • 筋力の低下
  • 知覚の低下

それぞれについて説明していきます。


内臓機能の低下とは?

腸は、一日に数度「蠕動運動(ぜんどううんどう)」を起こし、中に入っているものを肛門のほうへ押し出す働きをしています。

加齢に従って、押し出す働きも弱くなります。弱くなると、腸の内容物が肛門までたどり着く時間が長くなります。その間、腸は内容物から水分の吸収を行いますので、便はどんどん固くなってしまうのです。

固くなった便を押し出すのは弱った腸には難しいことです。そしてますます機能を弱めます。この悪循環のために高齢者は便秘になりやすいのです。


食事量の低下とは?

腸は、十分な内容物が腸管(ちょうかん)の中にないと刺激を受けません。「中に押し出すものがある」と、腸管の神経細胞が認識することによって蠕動運動をうながすからです。

年を取るとどうしても若いころよりも食事量が減ります。そのため、腸管が刺激されにくくなり、蠕動運動が起こりにくくなると便秘につながります。

特に、若いころ暴飲暴食が多かったり、食欲旺盛だった方に多く起こる原因のようです。


筋力の低下とは?

排便するときに必要な腹筋と、肛門括約筋の働きが加齢とともに弱ってきます。便秘薬は腸内の具合を整えるために使うものなので、肛門付近まで便を送り出すとその役目を終えてしまいます。

肛門付近まで便を送り出すのは蠕動運動など、腸の働きによるものです。そこから外に便を押し出すのは、肛門括約筋といきむときの腹筋の働きです。

この2つの筋肉は加齢とともに弱っていきます。そして、上手に便を押し出せなくなっていくのです。


知覚の低下とは?

腸管には神経細胞があり、これが大脳へ「便がありますよ、押し出してください」という信号を送ります。その信号によって便意を感じ、「トイレに行こうかな」と思うのです。

年を取ると、神経細胞の働きが弱ってきます。すると、トイレに行くタイミングを失ってしまうのです。

「トイレに行きたいような気がしたけれど…気のせいかな?」という繰り返しで、便は出る機会を失い、その間に水分を吸収されてしまって固くなり詰まります。


高齢者の便秘の対策方法について

この便秘に対する対策は2つあります。

適度に体を動かす

適度に体を動かすと、血液の循環が良くなります。体の各機能が落ちることの原因の一つに、血液の循環が年を取ると悪くなるため、細胞が生み出した老廃物の排出がうまくいかない、というものがあります。

血液を良く流してあげることによって機能が低下している内臓や、神経細胞の機能向上が見込めます。血液を循環させるためには水分も大事です。

年を取ると喉が渇きにくく感じるので、水分をあまりとらない方が多くなりますが、意識して摂るようにしましょう。

身体を動かすと言っても、激しい運動は必要ではありません。毎日欠かさず散歩する、無理のない程度に階段の上り下りをするなどで十分です。家事をしっかりすることも運動につながります。

動けなくなってきているから、太っておっくうになってしまったという理由で体を動かさなくなるのが、一番腸には良くありません。ご家族の方も、積極的に声をかけて一緒に散歩に出たりしてみてください。


規則正しい食事

食欲が落ちてきても、1日3食きちんととることが大事です。たくさん食べる必要はありません。

原因のところで、「腸の内容物が減ると便秘につながる」と書きましたが、だからと言っていきなり食べる量を増やせるものでもありません。

たくさん食べられないけれど、十分な腸の内容物の量を確保するために、食物繊維を積極的に摂ってください。食物繊維は腸内で水分を含み、少ない便の量のカサを増してくれる働きがあるのです。

食物繊維を豊富に含む食事を、量は少なくてもよいから規則正しい時間に摂ることが大切です。

⇒ 高齢者の腸内環境を整えるのにも便利な食品「オリゴ糖」について


どんな食事がいいの?

加齢とともに噛む力は弱ります。飲み込みやすく、食物繊維が豊富な食事が便秘改善に役立ちます。

フルーツのピューレやこんにゃく、寒天などは豊富な食物繊維量で腸の内容物を増やし、「いっぱいになったよ」という信号を腸に送って蠕動運動を起こしやすくします。

また、食物繊維がたくさん摂れるのは「豆」です。軟らかく煮ることができますので、豆製品を積極的に食事に摂りいれましょう。

一番良いのは「きな粉」です。きな粉なら、アイスクリームなどの嗜好品にかけて食べることができます。

お菓子類は、洋菓子よりもあんこを使った和菓子のほうが食物繊維が豊富です。

飲み物は、もし嫌いでなければココアには食物繊維が豊富なのでおすすめです。

胃腸に負担をかけないためにも、消化しやすい食事をするのは大切なことですが、食物繊維を取ることも忘れないでください。


高齢者の便秘薬・注意点

便秘は生活習慣によるものでもあるので、食事と運動で治すのが良いのですが、辛い時には市販薬という方も多いと思います。そこには思わぬ落とし穴があります。


酸化マグネシウム剤は、高マグネシウム血症のリスクを高める
便秘解消に使われる酸化マグネシウム剤は、血液中のマグネシウム濃度が高まる異常症です。腎臓が弱ってくることが原因なのですが、もともと腎疾患を持っている方が市販のマグネシウム剤を飲むと起こります。

症状としては、血圧の低下、呼吸の抑制、ひどい場合は心停止の可能性があります。腎臓に疾患がなくても、酸化マグネシウム剤を長期に常用していることによって、リスクの高まる病気です。


骨粗しょう症の治療と併用できない便秘薬がある
加齢とともに高まる骨粗しょう症ですが、この治療を受けている方には併用できないのが酸化マグネシウム剤の便秘薬です。

骨粗しょう症は、骨からカルシウムが溶け出してしまい、骨全体がもろくなる病気です。酸化マグネシウム剤は、骨粗しょう症の治療薬の副作用を高めたり、働きを阻害してしまうことがあります。


大腸メラノーシスのリスクを高める
酸化マグネシウム剤よりも効き目の強いアントラキノン系の下剤は、大腸メラノーシスのリスクを高めます。

そうでなくても腸の機能は加齢によって低下していますので、大腸刺激性下剤もどんどん強めていかないと効かなくなります。

その結果、腸が自立排便の働きを放棄してしまい、刺激に任せるだけになることもあります。薬の効果と投与量には限界がありますので、こうなることは望ましくありません。

大腸メラノーシスの恐怖【下剤の副作用に注意しよう!】


便秘薬を使いたい場合はどうしたらよい?

一番良いのは医師に相談することです。特に、他の病気で投薬を受けている方は必ず相談してください。

特に持病がなく投薬もしていない場合は、市販薬でもアミティーザのように、長期利用を前提として作られている便秘薬もありますので、そちらを利用するのもよいようです。注意書きをよく読んでお使いください。

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