幼児
幼児とは、1歳から就学前までの子どものことです。まだまだ言葉も足りなくて、体の不調などを訴えにくい年頃ですよね。幼児の便秘と解消法についてまとめました。

幼児の便秘の原因は?

幼児の便秘の原因は大きく分けて3つあります。

  • 器質性便秘
  • 腸の機能が低下する
  • 腸が過敏になる


器質性便秘とは

もともと病気を持っていたりして、腸管が細くて便が詰まりやすい状態になっていることです。腸管や肛門に支障がある場合が多いです。

鎖肛(肛門の先天的な奇形)、ヒルシュスプルング病(神経左折細胞の欠如)、などが代表的です。

新生児の時から便秘であるなどの症状のときは、こちらを疑ったほうが良いようです。ヒルシュスプルング病の多くは生まれてから1週間以内に、産婦人科で発見されることが多いです。


腸の機能低下とは

食生活の変化、トイレトレーニングの開始、保育園や幼稚園への入園など、環境が大きく変わった時にストレスが多くなって腸の機能が低下することがあります。

脳と腸は密接な関係を持っているため、ストレスは腸の機能を落としてしまうのです。

腸の機能が起きると、蠕動運動は弱まります。そのため、便秘になってしまいます。

そのほか、水分不足や食物繊維不足などもこちらに含まれます。


腸過敏とは

原因は腸の機能低下と同じですが、ストレスを感じて腸が過敏になってしまう状態のことです。腸が過敏になると、下痢や腹痛などの原因になります。痙攣性便秘なども、腸が過敏になることによっておこる便秘の種類です。


幼児が受けやすいストレスとは

幼児は痛みや恐怖の原因を十分理解することができません。なので、幼児にとっての「理不尽な痛み、恐怖」がストレスになってしまうことがあります。

具体的には、厳しすぎるトイレトレーニング、一度便秘になった子が味わう排便時の痛み、入園によりトイレに自由に行けなくなったことなどがこれに当たります。

トイレトレーニングで便秘になる子が多いのは、床が汚れると怒られるほか、したくない時間におしっこやうんちを「ここでしなさい」と強制されることにより生まれる緊張などが腸の機能を落としてしまうからです。

腸は蠕動運動によって便を外に押し出しますが、蠕動運動は副交感神経が優位の時に腸が行う活動です。副交感神経はリラックスしている時に働きます。

トイレトレーニングの強要、トイレ環境の変化などによってストレスを感じてしまうと、とたんに交感神経が優位になってしまいます。そして蠕動運動が起きにくくなり、便秘になってしまうのです。


幼児の便秘の解消法

原因別の解消法です。


器質性便秘を解消するには

病気や臓器の奇形が原因の器質性便秘は、医師でなければ治せません。医療機関で適切な処置を受けましょう。泣くほどの腹痛は、腸閉塞や盲腸などの可能性もあります。命にかかわる病気もあります。

幼児は言葉で上手に痛みを説明することができません。痛みで泣く場合は、速やかに病院へ行くことをおすすめします。


腸の機能低下の解消法

副交感神経を優位にし、リラックスできる状態を作ってあげる必要があります。トイレトレーニングが厳しい自覚のある方は、少し緩めてあげてください。

どんなに手こずるトイレトレーニングでも、小学校に上がるまでには大体の子どもが落ち着きます。

今は、おむつの性能も上がり、濡れることによる不快感を子どもが感じにくくなってしまうことも、トレーニングの妨げの一つの原因と言われています。

今は汚れる時期と割り切ったり、周りの「○○ちゃんはもうおむつが外れた」というプレッシャーに負けず、わが子にはわが子のマイペースを尊重してあげてください。

また、

  • 水分を取る
  • 運動をする
  • 副交感神経が優位になる食後や寝る前にトイレに座らせてみる

なども便秘を解消する手助けとなります。


腸過敏の解消法

腸過敏を解消するには、医師の手を借りたほうが早いといわれています。

腸過敏になると、痙攣性便秘などになってしまうため、通常の便秘薬では効果がないどころか、腹痛をひどくしてしまったり、下痢で脱水にしてしまったりなどという悪影響のほうが大きいからです。

子どもの腸はまだまだ発達途上のため、適切な処置をとることによって早く治る場合があります。腸過敏と腸の機能低下は素人では判断が付きません。医師の指示を仰いでください。

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食事で便秘予防

毎日の腸の生活の基本は食事です。


偏食は便秘の原因!

特定のものばかり食べている「偏食」は、次のようなことを生んでしまうリスクがあります。


食物繊維の不足

食物繊維がないと、便はどんどん水分を吸収されて固くなってしまうことがあります。食物繊維は腸のお掃除をしてくれる大事な成分で、「第六の栄養素」と呼ばれているくらいです。

野菜嫌いの子は一般的に食物繊維が不足していることが多いのですが、嫌いなものを無理やり食べさせるのも返って逆効果で、余計に食べなくなってしまうことがあります。

こっそり混ぜる、野菜ジュースやピューレのような形にして料理に混ぜるなど工夫してください。


糖反射

スナック菓子や甘いものをたくさん食べるお子さんに見られる特徴です。

スナック菓子や甘いものは、ほとんどが炭水化物、糖質でできています。糖質の割合が多いと、腸で「糖反射」という現象が起きます。

糖反射が起きるようになると、腸が糖質を感知すると機能を抑制してしまうということが起こります。

糖質を摂ると腸が活動しなくなるという条件反射になってしまうため、食べても腸が動かなくなり、便秘になってしまいます。

糖質とは、炭水化物ー食物繊維量のことです。スナック菓子やスイーツには、ほとんど食物繊維が含まれていませんので炭水化物=糖質となる場合が多いようです。


便秘を予防できる食品

子どもはどんどん成長しますので、便秘になると便秘の状態のまま成長してしまいます。結果、腸が便が詰まることになれて肥大化してしまい、どんどん便が出しにくくなる巨大結腸症の原因にもなります。

器質性の原因ではなく、機能性の便秘の原因のほとんどは生活習慣によるものです。まずは食事で予防をしましょう。


食物繊維

食物繊維は固くなりがちな便を柔らかく保ち、腸の蠕動運動を促す働きも持ちます。野菜が嫌いな子は、野菜ジュースで摂るようにしましょう。

幼稚園、保育園に入ると、嫌いな野菜も食べなければならないシチュエーションも出てきます。以前よりは厳しくなくなりましたが、ひどい偏食は小学校の指導の対象になることもあります。

小学校へ入る前に、ある程度の好き嫌いは直して置けるように少しずつチャレンジしてください。無理強いは返って食べなくなることもあります。


オリゴ糖

オリゴ糖は、胃で消化されずに腸まで届いて善玉菌の栄養となる糖分です。腸内の善玉菌を増やす働きがあり、それによって腸内環境を改善することができます。

善玉菌が増えれば、蠕動運動の活発な腸になります。甘みもあり、普段の糖分に入れ替えて使いやすいので、生活の中に取り入れやすい便秘対策です。

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乳酸菌

乳酸菌には様々な種類があり、免疫機能を高める目的のものや、腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)を整える目的のものもあります。

腸内の環境を整え、便秘改善を目指すなら『生きて届く」と書いてあるものか、「プロバイオティクス効果」が明記されているものを選ぶとよいようです。

乳酸菌は、外から摂りいれたものはだいたい腸内で死滅してしまい、定着はしません。定着したとしても寿命は短く、1~2週間ほどです。

腸内環境を整えるには、継続して摂取することが必要になります。


トイレトレーニングで便秘予防

トイレトレーニング
トイレトレーニングを始めるなら、便秘予防に結びつくトイレトレーニングにしましょう。

腸の動く時間帯というのは決まっています。蠕動運動は1日のうちに2~3回しか起きない現象なので、そのタイミングを外さないようにしましょう。

蠕動運動は副交感神経と強い結びつきがあります。副交感神経は、リラックスの時に発動しますので、

  • 朝食後
  • 昼食後、昼寝前

には一度便器に座らせるようにしましょう。長く座っているようにさせるために手遊びなどをしてしまうと、交感神経が発動し、蠕動運動は起こりにくくなるようです。

のんびりとおしゃべりをしながらゆっくり座ることが良いようです。

たとえ出なくても、失望したり怒ったりせず、「じゃあまたあとでね」と切り上げましょう。トイレを「怒られる場所」「怖い場所」にしないことが便秘にしない第一歩です。


どのくらいの便秘で病院へ行けばいい?

幼児の便秘は、慢性的なものでも病院へ行ってください。成長期に便が詰まった状態の腸は肥大化してしまいます。腸管がどんどん太くなる様子をイメージしてください。

すると、腸壁が刺激されにくくなります。大人になっても慢性的にずっと便秘症になってしまう原因になります。放置せず、3日を目安として、おなかが痛がったり不機嫌になっているようなら病院を受診しましょう。


どんな便秘薬がある?

幼児にあげる便秘薬は、市販のものでなく病院から処方されるものがおすすめです。

幼児はもともと便秘をしないものです。まだ腸の器官も若いので運動は活発なはずなので、そこに刺激性の市販の下剤などを入れてしまうのは危険です。

もしかしたら、その便秘には器質的な問題があるかもしれません。病気の原因かもしれませんので、一度病院へ行くことをおすすめします。

薬を処方されても、治ったら家で服薬させないことです。今から薬に慣れさせてしまうと、将来が困ります。薬になれることによって機能が落ちてしまうと、長い治療が必要になります。

「応急処置には使う、でも習慣にしない」ということに気を付けて、お子さんの便秘を見守ってあげてください。