朝トイレに入った時、便の色や形が普段と違うことに気がついたことはありませんか?代表的なものは下痢ですが、便は身体の健康状態を示す1つの指標となっているのです。
毎回チェックすることで、重大な病気の早期発見にもつながります。
今回は、便の色や形で身体の健康チェックをするためのチェックガイドをご紹介します。
便の形や色ごとに可能性のある病気をご紹介し、その原因や対策方法をお教えします!
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目次
便の色が黒色の場合
便が黒色の場合は、大きな病気のサインである場合もあるため、しっかりとチェックすることが大切です。可能性のある病気を挙げてみます。便秘
便秘になると、黒色の便が出ることが多いです。便秘状態の便は水分が少ないため、便の色が濃くなり、黒ずんで見えるのです。便秘になる原因の1つに、過敏性腸症候群が挙げられます。この病気は、心身に大きなストレスがかかったり、自律神経が乱れることによって便秘、または下痢になる病気です。
ストレスの影響で腸の蠕動運動が低下し、便秘を引き起こすのです。過敏性腸症候群を治すには、根本的な原因となっているストレスを軽減することが大切です。
しかし、1人で治療を行うのは難しい病気ですので、早めに消化器科、または心療内科に相談しましょう。
便秘を解消するには、こまめに水分を摂取するようにしましょう。
また、適度な運動や食物繊維など便秘解消に効果的な食物を摂取して、便秘の改善に努めましょう。便秘を解消することで、便の色が赤褐色や黄土色などの自然な色に戻ります。
血便による病気の兆候
便が黒色の場合、血便が原因である可能性があります。消化器官のどこかが病気になっており、病気の進行とともに出血量が増えると、便に血が混ざり黒っぽく変色する可能性があります。血が黒く変色していることから、肛門から遠い場所にある臓器の病気であることがわかるのです。
黒色の血便の場合、胃がんや食道がんの可能性が考えられます。がんによる出血が胃酸と混ざり、血が黒色に変色するのです。
胃がんは早期発見できれば治療することができるので、黒色の便が続く場合は速やかに病院で受診することをおすすめします。
便の色が白色の場合
「白便」と呼ばれるものは、便の色が通常よりも薄くなっている状態を指します。この場合、栄養不足や消化不良などの軽度な症状である場合も多いですが、様々な病気である可能性があります。膵がん
肝臓の近くにある膵臓に発症したがんは、膵がんと呼ばれています。膵がんになると、便の色が白っぽくなることがあります。膵がんが進行することによって膵臓が膨張し、近くにある胆管を圧迫します。胆管が圧迫されると胆汁の分泌が鈍り、便が白っぽくなるのです。
胆石症、胆管がん、急性肝炎、先天性胆管拡張症
胆管や肝臓、胆嚢に異常が生じると、以上のような病気になる可能性があります。炎症やがんなどが原因で肝臓が正常に機能しなくなると、肝臓内で胆汁が正常に生成・分泌されなくなります。また、胆管がんや胆石症によって胆管が正常に胆汁を運ぶことができず、十二指腸まで胆汁が運ばれなくなると、結果として便が白っぽくなります。
このような深刻な病気になっている可能性がありますので、白っぽい便が続く場合は、早めに病院に相談しましょう。
便の色が赤色の場合
赤色の便が出た場合も、大きな病気の兆候である可能性があります。痔
痔は、便秘などで便が硬くなり、排出する時に肛門が傷ついて出血し、便をその鮮血で赤くさせる場合があります。便の表面に血が付着するため、鮮やかな赤色になります。痔を治すには、まず便秘を改善させることが大切です。また、塗り薬などを活用して痔による炎症や傷を治すこともおすすめです。
大腸ポリープ、直腸がん、大腸炎、大腸がん
便の色が赤い、つまり鮮血が混じっている血便の場合、肛門に比較的近い場所で出血していることを意味しています。このような場合、大腸や直腸などの肛門に近い臓器でがんなどの異変が起きている可能性があります。
また、直腸がんの場合は肛門付近に最も近いため、いぼ痔と間違えやすいので、特に注意が必要です。
出血量が少量の場合は、たとえ鮮血であっても見た目ではわからない場合もあります。定期的に健康診断の検便を受け、チェックすることが大切です。
便の形が水っぽく、緩い場合

便の形が限りなく水に近く、緩い場合は、何らかの原因で下痢を引き起こしている可能性があります。
過敏性腸症候群
先ほども触れましたが、精神的に大きなストレスがかかる状態が続くと、過敏性腸症候群になる可能性があり、過敏性腸症候群になると便秘ではなく下痢になる場合もあります。この場合、便秘になる場合とは異なり、腸の蠕動運動が激しくなってしまい、便の水分が大腸内で吸収される前に全て通過してしまうので、水っぽい便が排出されてしまうのです。
正常な便は大腸内にあるS状結腸で一時的に保存されますが、上記の場合は水分が多すぎて溜めておくことができず、強い便意が突然やってきてしまいます。
こちらの場合も根本的な原因となっているストレスを軽減することが治癒につながります。早めに専門家に相談しましょう。
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大腸憩室
大腸憩室は、大腸の一部の粘膜が袋状の形となって飛び出してしまう病気のことを指します。一般的に高齢者に多く見られる病気とされていますが、お肉中心の欧米風の食生活によって腸内の環境が慢性的に悪化している状態が続くと、引き起こされる場合もあります。
多くの場合自覚症状がありませんが、過敏性腸症候群のような下痢や腹痛などを伴う場合があります。合併症として憩室出血を発症した場合、入院を伴う治療が必要となります。
何も症状が現れない場合は特に治療の必要はありませんが、食生活の改善などを心がけましょう。
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便の形がウサギの糞のようにコロコロとした、硬い便の場合
このような便の形の場合、先ほども述べました過敏性腸症候群による便秘になっている可能性があります。このような便になる原因は、以下の点が考えられます。運動不足
運動不足になると、腸の蠕動運動が鈍くなり、便秘を引き起こしやすくなります。短時間でも良いので散歩やストレッチなどの体操を毎日行い、腸の運動をサポートして便秘の改善を図りましょう。食物繊維の不足
多量の水分を吸収する性質がある食物繊維が不足すると、便の中の水分が極端に少なくなる恐れがあります。それによって便が硬くなり、便秘を引き起こしてしまうのです。ごぼうや海藻類、きのこ類などの食物繊維を豊富に含んだ食材を積極的に摂取して、腸内環境の改善に努めましょう。
便の形が細い場合
便の形が細い場合、肛門狭窄である可能性があります。肛門狭窄とは、何らかの原因によって肛門が狭くなってしまった症状を指します。一般的な肛門の大きさは人差し指が入るくらいですが、肛門狭窄が悪化すると小指が入らないほど小さくなってしまう場合もあります。
肛門狭窄になると便が排出されにくくなり、また太い便を無理に出そうとすると裂肛を引き起こす恐れがあります。
肛門狭窄を治すには、専用の軟膏や座薬を使用して、肛門に負担をかけないようにしながらも少しずつ肛門を柔軟にしていきましょう。
それでも改善されない場合は手術が必要となる場合もあるので、早めに専門機関に相談しましょう。
まとめ
普段何気なく排便をしているため、あまり注意して見ることはないかもしれません。しかし、便は現在の健康状態をチェックするのに最適なバロメーターなので、ぜひ毎日チェックしてみてください。
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